今日も私は生きている。

定住民から移民になり、日々暮らし、生きています。

私の出会った詐欺師の話

 

私は今、大阪市内のhostelに滞在している。

このhostelにはかなり長期滞在している。あのウィルスの影響があり大阪市内のhostelはかなり閉鎖してしまったから。

しかしながら長期滞在するには丁度良いhostelに出会えたのはラッキーだったと思う。

そこであったお話を一つしようと思う。

 

 

ある日

一人旅らしき50代の男性が宿泊にこられた。

痩せ型の小柄な方で金髪だか白髪だかのウィッグをつけていた。

片耳な大きめのイヤリング。

 

私に挨拶されていたので軽く返した。

すると長々と自分の話をしてきた。

彼は現在、中国に籍があり埼玉出身であると。中国に彼女がおり、クレジットカードを渡しており結婚する予定だと。

私は、ただある程度彼の話を聞いたあと立ち去ろうとした。

すると彼から

明日、一緒に飲みに行かないか?

と誘われた。

私は、まぁ挨拶なのかと思い

明日、時間が合えば。と返答しておいた。

 

次の日の夕方。

パタリと会った彼から

今から行こう。

と誘われた。

私は宿泊している他の方々も行かれると思っていたが、彼は二人で行くという。

私は考えたが

彼女がいるんだし、おかしな展開にはならないだろうと思い同行した。

カウンターに中国人のママがいられる店に入りビールや軽食をいただいた。

このカウンターでの会話から何だかよくわからない展開へとなった。

彼は中国にいる彼女の話はデタラメだといいだした。

理由はそう言わないとモテてしまうからだと。

私は理解に苦しんだが相槌で応えた。

そして

私にこう言ってきた。

あなたと運命を感じたので結婚して欲しいと。

その他にも何か色々とおっしゃっていたが私は聞き流す方法しかなかった。

私は彼に人としての魅力を感じなかったので私には何を語られても響かなかったのが事実。

そして面倒な展開へと時間は流れていった。

その夜は二人きりになりたいとホテルへ誘われたが当然そんな気持ちは全くなかったので解散した。

次の日、その次の日と彼は執拗に私にまとわりついて話をしてきた。

自分には中国に1億円のマンションが2部屋あり、相場が5倍になっている。

実家の母が自分の結婚相手に渡す為に1億円の通帳を保管している。

婚約者としてあなたに是非渡したい。

自分の月給は200万円で中国政府から特別な待遇を受けている。

などなど。

だから婚約者として付き合ってほしいと。

この話を信じたかと問われたら半信半疑がほんとのところ。

事実であっても事実でなくても私には何の害もなかったからだ。

 

この世界で人間が生き延びてこれたのは

人間という生き物が嘘を信じる生き物だったからだ。

 

という言葉が思い出された。

良くも悪くも信じるという選択がある。

その選択は常に自由である。

 

脱線した話を戻すと、

その後私は婚約者になった。

ごっこを選択した。

彼は喜び、婚前旅行の話やこれからの住処など話は進んでいった。

 

さぁ、ここまでの話の流れからすると

⓵次第に心が打ち解け恋に展開していく。

②やはり心が打ち解け合わずに破局する

 

という道が分かれているように思えますが

残念なことにオチは全く予測不能なところにあります。

 

彼と出会って1週間後に彼がhostelをチェックアウトすることになっていた。

その後、彼は京都大学へと仕事をしに行くとのことで京都に向かう予定となっていた。

私は彼からメールアドレスをいただきましたが、連絡手段はこれだけ。

 

彼がhostelを去った後

2日位はメールのやりとりがあったがプツリと連絡が途絶えた。

 

そして

その不快な彼が約1ヶ月たったある日

私の滞在しているhostelに現れた。

そして連絡をしなかった理由を言ってきた。

携帯電話が壊れ、盲腸になり手術していたと。

 

聞いていて哀れな思いでいっぱいになった。

そして私は聞いた。

 

あなたが私に話した話は

全て嘘だったんでしょ?と。

 

そうだよ。

でも悪いことは何もしていないよ。

と。

 

実は彼は

私に性的な誘いを繰り返していた。

これに私が応えていたら

彼は結婚詐欺となる、

実は彼は

私にクレジットカードを貸して欲しいと言った。

これに私が応えていたら

彼は結婚詐欺となる。

 

そして現段階で

婚約破棄という事実の状態。

 

 

しかしながら

周りの私の相談相手からは

弁護士つけて解決したほうがよいと思うよ。次の被害者の為にも。

とおっしゃっていただいたりもしたが

私はしないと決めた。

 

なぜなら

理由は複数あるが

本人が悪い事は全くしていない。と自覚し切っている時点で

手に負えないと感じたから。

この方と争う時間も感情も想像がつく。

勿体無い。

そして私は自ら被害者にならない手立てを事前に打った。

被害者ではない。

 

私は初めて詐欺をする人にあった。

 

こんな風に自分の欲しいものの為に嘘を並べて手に入れる事を

悪気の一個もなくできるなんて凄いと思った。

凄いというのは

卑劣という意味。

 

こんな人が

私が知らなかっただけで世の中によくいるんだろうなと思うと

なんだか侘しく感じた。

 

この件で結婚詐欺や婚約破棄について

かなり調べて対処を考えた。

そして被害にあっている方の事も色々と知った。

 

1億円手に入ったら

どう使うか。

を考えて

億男を映画観賞したら

1億円に対しての捉え方のアドバイスとなった。

 

お金の価値は人が決める。

 

それを実感したというお話でした。